輪ゴムの知識

ゴムの話

02.合成ゴム

合成ゴムの開発

19世紀末からの天然ゴム需要の急激な増加は、自動車の発明と発展によっています。20世紀におけるゴムの技術は、タイヤ用主原料である事を軸に展開してきたと言っても過言ではありません。20世紀に入ってすぐに合成ゴムの開発がスタートしたのは、天然ゴムの熱帯地方への偏在と、戦争という人類にとって不幸な事態の要求によります。

工業化された最初の合成ゴムは、ジメチルブタジエンゴムと呼ばれるもので、第一次世界大戦においてドイツは天然ゴムの不足を補うため、1918年までに2000トンを超えるジメチルブタジエンゴムを製造しました。

第二次世界大戦後の50年は合成ゴムの時代といえます。第1に乳化重合技術の成熟と、乳化重合SBRの汎用ゴムとしての地位確立、第2にチーグラー・ナッタ触媒を用いた立体規則性重合によるゴム、いわゆるステレオラバーの出現、第3に、チーグラー・ナッタ触媒によるエチレン-プロピレン共重合ゴムに始まるオレフィン系ポリマーの流れがあります。近年におけるメタロセン重合の発展はこの傾向をさらに押し進めるものであり、タイヤを除いたゴムの世界でオレフィン系への転換傾向は避ける事ができないものと思われます。


合成ゴムの分類

合成ゴムにはその種類によってMグループ(ポリメチレン型の飽和主鎖を持つゴム)、Oグループ(主鎖に炭素と酸素を持つゴム)、Rグループ(主鎖に不飽和炭素結合を持つゴム)、Qグループ(主鎖にケイ素と酸素を持つゴム)、Uグループ(主鎖に炭素と酸素及び窒素を持つゴム)、Tグループ(主鎖に硫黄と酸素及び炭素を持つゴム)、Zグループ(主鎖にリンと窒素を持つゴム)などのように、JIS K 6397によって分類されています。

Rグループのゴムの代表は天然ゴム(NR)と同様の構造を持つイソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などがあります。

IRはNRを合成する事を目標に開発され、1964年に世に出ました。合成ゴムとしては比較的新しいものであり、この合成は多くの化学者の夢であったといわれています。ところが実際、近年の各磁気共鳴吸収法(NMR)の分析技術の進歩によって、IRとNRには化学構造上の差異がかなりある事が明らかになってきました。IRはNRに比べて立体規則性に劣り、結晶化の度合いが小さく、延伸結晶性も若干劣ります。IRはNRと同様にタイヤ、履き物、ベルト、糸ゴム、粘接着剤、医療用製品に幅広く利用されています。

BRはNRやSBRに比べて耐寒性、耐老化性、耐摩耗性に優れており、高弾性で動的発熱も小さく、ブレンド性、高充填性、成形性、型流れ性などの加工性に優れています。用途として、自動車用タイヤ、履き物、ホース、ベルト等工業用品、ポリスチレンの改質剤などがあります。

出典:日本ゴム協会編「新版 ゴム技術の基礎」(1999)

ミニ知識 薬品の仕事
硫黄 ゴムの分子と分子の間に橋をかける役目。

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