輪ゴムの知識

ゴムの話

03.配合剤

ゴム製品は特異な機能を持った多種類の配合剤からなる複合体です。すなわち、ゴム製品の主原料はゴムですが、その他に天然ゴムを加工できるまで軟化させる素練り促進剤、配合剤を混練しやすくする軟化剤、加工段階での流動性を高める滑剤、未架橋ゴムシート同士の貼り合わせを容易にする粘着付与剤、ゴムに三次元の骨格を与える架橋用配合剤、ゴム製品の強度を高める充填剤と柔らかくのびやすくする可塑剤、ゴム製品の耐久性を高める老化防止剤などから構成されています。そして、これらの配合剤がうまく組み合わせられなければ、優れたゴム製品を製造することはできません。また、配合剤全般に言えることですが、ゴム製品を使用しているときに、ゴムからしみ出て周辺のものに害を与える汚染性にも注意しなければなりません。

【素練り促進剤】

素練り促進剤は、主に天然ゴムにおける素練り工程で用いられます。合成ゴムに比べて天然ゴムは非常に分子量が高く(100万以上)、素練り工程は欠くことができませんが、素練りには大きな力とエネルギーが必要であり、素練り促進剤はこれらを低減させる作用があります。
 

【軟化剤・可塑剤】

軟化剤・可塑剤は、架橋ゴム製品の硬度の低下を主目的に、カーボンブラックや架橋用配合剤などのゴム中への混練と分散性の向上、圧延や押し出し時の加工性の改良、未架橋生地の粘着性の増加による成形加工材の改善、架橋ゴム製品のコストダウンなどを目的として添加されます。

【架橋剤】

ゴム製品の多くは架橋操作により鎖状ゴム分子に三次元構造を形成させて、弾性体としての性質を付与しています。この際の架橋反応に用いられる配合剤が架橋用配合剤で、具体的には架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、スコーチリターダに分けられます。架橋方式としては硫黄架橋と非硫黄架橋に大別されます。硫黄架橋は架橋剤に硫黄を用いてサルファイド結合を架橋鎖とする架橋物が得られ、非硫黄架橋は、C-C結合、C-N結合などサルファイド結合以外の架橋鎖を形成させる方法です。

硫黄架橋は硫黄、加硫促進剤、スコーチリターダ等の組み合わせにより架橋の調整が比較的容易であり、その架橋物は破断強度が高く耐疲労劣化性と耐屈曲亀裂性に優れていますが、非硫黄架橋物に比べて耐熱酸化性が低く、高温での圧縮永久ひずみや残留伸びが大きいという欠点を併せ持ちます。これに対し、非硫黄架橋で得られた架橋物は耐熱酸化性が高いという最大の特徴を有するものの、強度特性が低く、耐疲労劣化性や耐屈曲亀裂性が劣るという欠点も有します。

これは、硫黄架橋が架橋点間に比較的長い硫黄による鎖を作るのに対し、非硫黄架橋では架橋点間の距離が短く、弾性体としての運動性が異なるためだと考えられています。今日ではどちらが優れているというよりも、用途によって架橋方法を選択するというやり方が主流です。

【老化防止剤】

ゴムは分子鎖が活発な熱運動をしているため、酸素の拡散性が高く、そのためプラスチックに比べて酸化されやすい物質です。特に天然ゴムやSBRなどのように主鎖にイソプレンユニットやブタジエンユニットからくる二重結合を含む場合、耐熱酸化性は低く、さらにオゾンによる主鎖解裂反応(オゾン劣化)、及び架橋鎖の崩壊も伴う繰り返し伸長による疲労劣化も受けやすいのです。これらの一連の劣化をゴムの場合は老化と呼び、それを阻止する配合剤を老化防止剤と呼んでいます。

【発泡剤】

微細な気泡を抱き込んだ架橋物である発泡体は、断熱性、柔軟性、緩衝性といった優れた特徴を持つため、ウェットスーツ、壁紙、ソファー、パッキング、ウェザーストリップなどの多くのゴム製品に応用されています。発泡体は気泡を発生させながら架橋することにより得られますが、このときに気泡を発生させるために添加される薬剤が発泡剤です。

【加工助剤】

加工助剤はゴムの素練り、混練、圧延、押し出し、射出成形などの各工程での加工性を改善する目的で使用される配合剤で、滑剤及び粘着付与剤があります。

滑剤は加工中は液化してゴム自体を動きやすくするとともに、ゴムと加工機の界面に働く摩擦抵抗を減少させることで流動性を高め加工しやすくします。そのため一般に滑剤はゴムを軟化させうる非極性基と、加工機とゴム間に介在して潤滑剤の働きをする極性基を有しています。

粘着付与剤は、未架橋ゴムシート同士の粘着性を高めるために用いられる配合剤で、架橋ゴム製品の多くが配合の異なった数枚の未架橋ゴムシートを貼り合わせた後成形・架橋するため、未架橋ゴム同士の粘着性はゴム製品を製造する上で重要な要素となります。

出典:日本ゴム協会編「新版 ゴム技術の基礎」(1999)

ミニ知識 薬品の仕事
促進剤 橋を架けるのを手伝う役目。

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